FIRE後は給与収入がなくなり、保有している資産を少しずつ取り崩して生活することになる。
そこで迷うのが、
「NISAと課税口座のどちらから先に取り崩すべきか」
という問題である。
NISAは運用益が非課税なので、「できるだけ最後まで残した方がよい」と考える人も多いだろう。
一方、課税口座を売却すると利益部分に税金がかかるため、含み益が大きい場合には税負担も無視できない。
結論から言えば、FIRE後の取り崩しでは、
基本は課税口座を優先し、NISAの非課税運用期間を長くする
という考え方が有力である。
ただし、必ず課税口座から売ればよいわけではない。
課税口座の含み益、NISAと課税口座の資産配分、リバランス、FIRE直後の暴落などによって、適切な取り崩し方は変わる。
本記事では、FIRE後のNISAと課税口座の出口戦略について考える。
さらに、50歳・資産8,000万円でFIREしたケースについて、3つの取り崩し方法を50歳から90歳までシミュレーションする。
- FIRE後の取り崩しでは「どの口座から売るか」が重要
- NISAから取り崩すメリット・デメリット
- 課税口座から取り崩すメリット・デメリット
- 基本戦略は「現金→課税口座→NISA」
- 「課税口座から先」が必ず正解とは限らない
- 新NISAは売却した枠を翌年以降に再利用できる
- FIRE後は「口座」ではなく「資産全体」で考える
- 8,000万円でFIREした場合、NISAと課税口座のどちらから取り崩す?
- 90歳時点では「課税口座優先」が最も多く残った
- 50~90歳の税引後資産を比較
- なぜ「課税口座優先」が有利になったのか
- NISA残高の違いを見ると差が分かりやすい
- それでも「課税口座から全部売ればよい」とは限らない
- FIRE直後に暴落した場合は「どの口座から売るか」以上に重要なことがある
- FIRE後の取り崩しは4つのルールで考える
- 取り崩し方法そのものも重要
- まとめ|課税口座を優先しながら全体最適を考える
FIRE後の取り崩しでは「どの口座から売るか」が重要
FIRE前の資産形成では、「何を買うか」に注目しがちである。
しかしFIRE後は、
「何を、どの口座から、どの順番で売るか」
も重要になる。
たとえば同じ投資信託をNISAと課税口座で保有していたとしても、売却時の税金は異なる。
NISA口座で得た売却益は非課税である。
一方、課税口座で上場株式や投資信託を売却して利益が出れば、原則として利益部分に税金がかかる。
NISAの非課税制度については、国税庁「NISA制度」で確認できる。
そのため、同じ8,000万円の資産を持ってFIREしたとしても、どの口座にどれだけ資産があるかによって、税引後に実際に使える金額は変わってくる。
FIRE後は資産総額だけではなく、「どの口座にいくらあるのか」まで含めて出口戦略を考える必要がある。
NISAから取り崩すメリット・デメリット
NISAの最大のメリットは売却益が非課税になること
NISAでは、対象となる上場株式や投資信託などから得られる配当・分配金や売却益が非課税になる。
たとえば100万円で購入した投資信託が200万円になったとする。
NISAなら、
購入額:100万円
売却額:200万円
利益:100万円
となっても、原則として売却益に税金はかからない。
FIRE後の生活費を確保するときには大きなメリットである。
NISAの年間投資枠や非課税保有限度額など制度全体については、金融庁「NISAについて」も参考になる。
ただしNISAを早く使うと非課税運用できる資産が減る
一方、NISAを取り崩せば、その分だけ非課税で運用している資産が減る。
長期的に値上がりが期待できる株式をNISAに保有している場合、早い段階で売却すると、その後の値上がりを非課税で享受できる資産も少なくなる。
そのため、
「税金がかからないからNISAから先に売る」
という判断が必ずしも有利とは限らない。
むしろ長期運用できる資産ほど、NISAに残しておく価値は大きいと考えられる。
課税口座から取り崩すメリット・デメリット
課税口座を先に取り崩す最大のメリットは、NISA資産を非課税のまま長く運用できることである。
ただし問題となるのが売却時の税金である。
たとえば課税口座で、
取得額:300万円
現在価格:500万円
となっている投資信託をすべて売却した場合、500万円全体に税金がかかるわけではない。
課税対象になるのは、基本的に、
500万円-300万円=200万円
の利益部分である。
国税庁では、上場株式等の譲渡所得について、基本的に「譲渡価額-取得費・手数料等」で計算する仕組みを示している。詳しくは国税庁「株式等を譲渡したときの課税」を参照してほしい。
そのため、「課税口座だから売却額の20%以上がそのまま税金になる」というわけではない。
重要なのは売却額ではなく含み益率である。
含み益が小さい課税口座であれば、売却しても税負担は比較的小さい。
反対に、長期間保有して取得額に対して時価が大きく上昇している場合には、取り崩し時の税負担が大きくなる可能性がある。
NISAと課税口座の取り崩しを考える際は、住民税への影響も確認しておきたい。退職翌年度の税負担や株式売却益・申告方法との関係は、「FIRE後の住民税はいくら?退職翌年の税金に注意」で解説している。
基本戦略は「現金→課税口座→NISA」
FIRE後の出口戦略として一つの基本形になるのが、
①現金
↓
②課税口座
↓
③NISA
という順番である。
まず生活費として確保している現金を使い、その後は課税口座を取り崩す。
NISAはできるだけ長期間運用し、非課税メリットを活用する考え方である。
特に株式のように長期的な成長を期待して保有する資産をNISAに置いている場合、この方法には合理性がある。
ただし、これは絶対的なルールではない。
「課税口座から先」が必ず正解とは限らない
ケース1:課税口座の含み益が非常に大きい
課税口座の含み益が大きい場合、一度に大量に売却すると税負担も大きくなる。
この場合には、
課税口座だけを機械的に売るのではなく、NISAと組み合わせて取り崩す
方法も考えられる。
含み益率を確認しながら、どの資産を売るか判断することが重要になる。
ケース2:NISAに売りたい資産がある
FIRE後は資産配分の管理も重要である。
たとえば、
株式60%
債券30%
現金10%
だったポートフォリオが、株価上昇によって、
株式70%
債券23%
現金7%
になったとする。
このときNISAに株式が多く入っているなら、「NISAだから売らない」と考えるより、資産配分を元に戻すためにNISAの株式を一部売却する方が合理的な場合もある。
つまり、口座の種類よりポートフォリオ全体のリスク管理を優先する場面がある。
ケース3:FIRE直後に暴落した
FIRE直後に株式市場が暴落した場合には、NISAか課税口座か以前に、
下落した株式をできるだけ売らずに済む仕組み
が重要になる。
生活費1~3年分程度の現金を用意しているなら、まず現金から生活費を確保する方法が考えられる。
FIRE直後の暴落と現金保有については、「FIRE前に現金はいくら必要?生活防衛資金と暴落対策を考える」で詳しく検討している。
新NISAは売却した枠を翌年以降に再利用できる
2024年から始まったNISAでは、商品を売却すると、その商品の取得金額(簿価)分の非課税保有限度額を翌年以降に再利用できる。
ここはFIRE後の出口戦略を考えるうえで重要である。
たとえばNISAで100万円で購入した商品が150万円になり、150万円で売却したとする。
翌年以降に再利用できる非課税保有限度額は150万円ではなく、
取得額である100万円分
である。
ただし、復活した枠がその年の年間投資枠に上乗せされるわけではない。
そのため、
「一度NISAを売ったら、その非課税枠は永久になくなる」
という理解は現在のNISAでは正確ではない。
NISAでは非課税保有限度額を簿価残高で管理し、売却した商品の簿価分について翌年以降に枠を再利用できる仕組みになっている。詳しい制度は金融庁「NISAについて」で確認できる。
FIRE後でも副収入や余剰資金がある場合には、売却によって復活した非課税保有限度額を将来再利用できる可能性がある。
FIRE後は「口座」ではなく「資産全体」で考える
ここまでNISAと課税口座を比較してきたが、実際のFIREでは、
NISAと課税口座を完全に別々の資産として考えない方がよい。
たとえば、
NISA:株式1,800万円
課税口座:株式3,200万円
債券:2,000万円
現金:1,000万円
合計8,000万円
という資産構成だったとする。
この場合、
「課税口座を全部使い切ってからNISAを売る」
という単純な方法ではなく、
①生活費は現金から確保する
②値上がりした資産を売る
③目標の株式・債券比率に戻す
④同じ資産なら課税口座からの売却を優先する
⑤NISAの非課税運用をできるだけ長く残す
という考え方が使いやすい。
FIRE後の資産配分については、「FIRE後の資産配分はどうする?株式・債券・現金の割合を考える」で詳しく検討している。
8,000万円でFIREした場合、NISAと課税口座のどちらから取り崩す?
ここからは、50歳・資産8,000万円でFIREした場合を想定し、NISAと課税口座の取り崩し順によって資産推移がどう変わるのかを比較する。
今回の条件は次のとおりである。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| FIRE開始年齢 | 50歳 |
| 初期資産 | 8,000万円 |
| NISA | 1,800万円 |
| 課税口座 | 5,200万円 |
| 課税口座の取得額 | 3,500万円 |
| 現金 | 1,000万円 |
| 年間支出 | 400万円 |
| 運用利回り | 年5% |
| 公的年金 | 65歳から年155.5万円 |
| 50~64歳の年間取り崩し | 400万円 |
| 65歳以降の年間取り崩し | 244.5万円 |
| 計算期間 | 50~90歳 |
課税口座5,200万円に対して取得額を3,500万円と仮定しているため、シミュレーション開始時点では1,700万円の含み益がある設定である。
課税口座については、売却額全体に税金をかけるのではなく、取得費を差し引いた利益部分に税金がかかるものとして計算した。
また、課税口座を一部売却する場合には、取得額も売却割合に応じて減少するものとして計算している。
比較する3つの出口戦略
①課税口座優先
現金を使った後、課税口座を優先して取り崩し、課税口座を使い切った後にNISAを取り崩す。
②NISA優先
現金を使った後、NISAを優先して取り崩し、NISAを使い切った後に課税口座を取り崩す。
③NISA・課税口座併用
現金を使った後、毎年の取り崩し額を、その時点のNISA残高と課税口座残高の比率に応じて両口座から取り崩す。
たとえば、ある時点で、
NISA:2,000万円
課税口座:4,000万円
であれば、両口座の比率は1:2である。
年間300万円を取り崩す場合には、
NISA:約100万円
課税口座:約200万円
というように、残高比率に応じて取り崩す。
このルールによって、どちらか一方の口座だけを極端に早く使い切らないケースとして比較する。
シミュレーションを見る際の注意点
※本シミュレーションは取り崩し順による違いを比較するため、運用利回りを年5%で固定した単純化モデルである。実際の運用では毎年のリターン、インフレ、税制、年金額などによって結果は変動する。
将来の資産額を予測するものではなく、同じ条件で取り崩し順だけを変えた場合に、どの程度の差が生じるのかを見るための試算である。
90歳時点では「課税口座優先」が最も多く残った
シミュレーションの結果、90歳時点の税引後資産は次のようになった。
なお、本記事の「税引後総資産」は、NISA・課税口座・現金の残高を単純に合計した金額ではなく、その時点で課税口座をすべて売却したと仮定し、含み益に対する潜在的な譲渡税まで差し引いた評価額としている。
| 取り崩し方法 | 90歳時点の税引後資産 |
|---|---|
| ①課税口座優先 | 約1億503万円 |
| ②NISA優先 | 約9,269万円 |
| ③NISA・課税口座併用 | 約9,914万円 |
今回の条件では、
①課税口座優先 > ③NISA・課税口座併用 > ②NISA優先
という結果になった。
課税口座優先とNISA優先では、90歳時点で約1,234万円の差が生じている。
50~90歳の税引後資産を比較
途中の資産推移も見てみる。
| 年齢 | ①課税口座優先 | ②NISA優先 | ③併用 |
|---|---|---|---|
| 50歳 | 約7,552万円 | 約7,552万円 | 約7,552万円 |
| 55歳 | 約7,195万円 | 約7,184万円 | 約7,192万円 |
| 60歳 | 約6,845万円 | 約6,765万円 | 約6,823万円 |
| 65歳 | 約6,604万円 | 約6,427万円 | 約6,545万円 |
| 70歳 | 約7,032万円 | 約6,731万円 | 約6,917万円 |
| 80歳 | 約8,336万円 | 約7,674万円 | 約8,041万円 |
| 90歳 | 約1億503万円 | 約9,269万円 | 約9,914万円 |
50代では3つの戦略にそれほど大きな差はない。
しかし運用期間が長くなるにつれて差が広がり、90歳時点では課税口座優先が最も多く資産を残した。
65歳以降に資産が再び増えているのは、公的年金155.5万円を受給することで、年間取り崩し額が400万円から244.5万円へ減るためである。
なぜ「課税口座優先」が有利になったのか
理由の一つは、NISAの非課税メリットを長期間活用できたことである。
①では課税口座から先に生活費を確保したため、NISA資産を長期間売却せずに運用できた。
その結果、NISA残高は90歳時点で約1億503万円まで成長した。
一方、②のNISA優先では、60歳までにNISAを使い切る結果となった。
その後は課税口座だけで運用するため、資産が増えるほど課税口座の含み益も大きくなる。
長期間運用するほど複利の影響は大きくなる。
その成長をNISAの中で非課税のまま受けられるか、課税口座で受けるかによって、長期的な税引後資産に差が生じる。
つまり今回の条件では、
成長する資産をNISAに残し、課税口座から生活費を取り崩した方が有利だった
ということである。
NISA残高の違いを見ると差が分かりやすい
NISA残高の推移を見ると、3つの戦略の違いがより分かりやすい。
※表のNISA残高は、各年末の運用と取り崩し後の金額である。
| 年齢 | ①課税口座優先 | ②NISA優先 | ③併用 |
|---|---|---|---|
| 50歳 | 約1,890万円 | 約1,890万円 | 約1,890万円 |
| 55歳 | 約2,412万円 | 約920万円 | 約2,027万円 |
| 60歳 | 約3,079万円 | 0円 | 約2,005万円 |
| 65歳 | 約3,929万円 | 0円 | 約2,004万円 |
| 70歳 | 約5,015万円 | 0円 | 約2,183万円 |
| 80歳 | 約8,168万円 | 0円 | 約2,678万円 |
| 90歳 | 約1億503万円 | 0円 | 約3,450万円 |
NISA優先では、60歳までにNISAを使い切る結果となった。
反対に課税口座優先ではNISAを長期間運用できるため、複利効果と非課税メリットを長く活用できる。
③の併用ではNISAを少しずつ取り崩すため、90歳時点でも約3,450万円のNISAが残る結果となった。
それでも「課税口座から全部売ればよい」とは限らない
この結果だけを見ると、
「FIRE後は課税口座を全部使い切ってからNISAを売ればよい」
と思うかもしれない。
しかし、実際にはそれほど単純ではない。
NISAと課税口座で保有している資産が異なる場合があるからだ。
たとえば、
NISA:株式中心
課税口座:債券中心
というポートフォリオだったとする。
課税口座だけを取り崩し続ければ、債券が減って株式比率が上昇する。
その結果、税金面では有利でも、FIRE後半のポートフォリオが想定以上にハイリスクになる可能性がある。
そのため実際の出口戦略では、
「課税口座を優先しながら、目標とする資産配分から大きく外れた場合にはNISAも取り崩してリバランスする」
という方法が現実的だと考えている。
税金だけを最小化するのではなく、税金・資産配分・暴落耐性をまとめて考えることがFIRE後の出口戦略では重要である。
FIRE直後に暴落した場合は「どの口座から売るか」以上に重要なことがある
もう一つ考えておきたいのが、FIRE直後の暴落である。
たとえば50歳でFIREした直後に株式市場が30%下落した場合、下落した株式を生活費のために売却すると、その後の相場回復の恩恵を受けにくくなる。
いわゆるシーケンス・オブ・リターン・リスクである。
この場合、
「NISAと課税口座のどちらから売るか」
だけではなく、
「暴落した株式を売らなくても生活できるか」
が重要になる。
そのため、FIRE前に一定額の現金を確保しておく意味がある。
今回の8,000万円モデルでも現金1,000万円を保有しており、年間支出400万円なら約2.5年分に相当する。
暴落時にはまず現金を使い、株式の売却をできるだけ先送りする。
その後、相場が回復した段階で課税口座からの取り崩しやリバランスを再開するという方法が考えられる。
FIRE直後の暴落については「FIRE直後に暴落したらどうなる?50歳FIREをシミュレーション」、現金の準備については「FIRE前に現金はいくら必要?生活防衛資金と暴落対策を考える」で詳しく検討している。
FIRE後の取り崩しは4つのルールで考える
ここまでの結果を踏まえると、私がFIRE後の出口戦略を考えるなら、次の4つを基本ルールにする。
①生活費用の現金を確保する
FIRE直後の暴落で株式を売らなくてもよいように、一定額の現金を確保しておく。
特にFIRE直後はシーケンス・オブ・リターン・リスクの影響が大きいため、現金は単なる「運用していない資産」ではなく、暴落時のクッションとして考える。
②同じ資産なら課税口座を優先する
同じ投資信託や同じ資産クラスをNISAと課税口座の両方で保有しているなら、基本的には課税口座からの取り崩しを優先する。
NISAの非課税メリットをできるだけ長期間残すためである。
③資産配分が崩れたらリバランスを優先する
「NISAだから絶対に売らない」と固定してしまうと、資産配分が大きく崩れる可能性がある。
目標とする株式・債券・現金の割合から大きく外れた場合には、NISAも含めてリバランスする。
④65歳以降は年金を含めて再計算する
公的年金を受給し始めると、資産から取り崩す必要額は減る。
今回のシミュレーションでも、65歳から年金155.5万円を受給することで、年間取り崩し額は400万円から244.5万円まで減少した。
50~64歳と65歳以降では、必要な取り崩し額も出口戦略も変わってくる。
FIRE後の年金については、「FIRE後の年金はいくら?50歳で退職した場合の受給額を試算」で詳しく計算している。
取り崩し方法そのものも重要
NISAと課税口座の順番を決めても、出口戦略は完成ではない。
次に考える必要があるのが、
「毎年いくら取り崩すか」
である。
代表的な方法には、
- 4%ルール
- 定額取り崩し
- 定率取り崩し
などがある。
たとえば同じ「課税口座優先」でも、毎年400万円を固定して取り崩す場合と、資産残高の4%を取り崩す場合では資産推移が変わる。
そのため、
「どの口座から取り崩すか」+「いくら取り崩すか」
の両方を考えることで、FIRE後の出口戦略が完成する。
具体的な取り崩し方法については、「FIRE後の資産はどう取り崩す?4%ルール・定額・定率を比較」で詳しく比較している。
まとめ|課税口座を優先しながら全体最適を考える
FIRE後のNISAと課税口座の取り崩しでは、
基本的には課税口座を優先し、NISAの非課税運用をできるだけ長く続ける
という考え方が一つの基本になる。
今回、50歳・資産8,000万円から90歳までシミュレーションしたところ、90歳時点の税引後資産は、
課税口座優先:約1億503万円
NISA優先:約9,269万円
NISA・課税口座併用:約9,914万円
となった。
今回の条件では、課税口座を優先してNISAを長期間残す方法が最も多く資産を残した。
ただし、これだけで「課税口座から全部売ればよい」と結論づけることはできない。
実際のFIREでは、
課税口座の含み益
NISAと課税口座の資産配分
株式・債券・現金の割合
相場の状況
年間生活費
公的年金
FIRE直後の暴落
などによって最適な方法は変わる。
そのため私なら、
現金 → 課税口座 → NISA
を基本としながら、
資産配分が崩れたらリバランスし、暴落時には株式の売却をできるだけ抑える
という出口戦略を考える。
FIREでは「いくら貯めるか」だけではなく、
「貯めた資産を、どの口座から、どのように使っていくか」
まで考えておくことが重要である。
口座ごとの取り崩しに加えて、必要資産や資産形成、税金・社会保険、年金、暴落対策までFIRE計画をまとめて確認したい人は、以下の入門ガイドも参考にしてほしい。


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