以前、私は大きな金額を使ったビットコイン短期トレードなどを行い、1日で100万円以上の損失を出したことがある。
それでも、現在はビットコインの積立投資を続けている。短期的な売買から、長期的な成長に期待する積立へと投資の方法を変えた。
ただし、ビットコインを資産形成の中心にしているわけではない。私の基本方針は、株式60%・債券35%・ビットコイン5%である。
50歳前後のFIREを目指す私にとって、ビットコインは成長を期待する資産の一つだ。一方、それに大きく依存して退職後の生活を考えるのは避けたい。
この記事では、私が短期トレードの損失経験を経てもビットコイン積立を続ける理由と、資産全体に占める割合を5%に抑えている考え方を紹介する。
1日で100万円以上の損失を経験し、現在は長期積立へ
以前の私は、現在より大きな金額を使って短期トレードなどを行っていた。その中で、1日で100万円以上の損失を経験した。
100万円という金額は、会社員が給与から積み立てるなら、何か月もかけて用意するお金である。それだけの損失が1日で生じるような投資と、毎月の積立で少しずつ資産を作る方法とでは、資産形成の進め方が大きく異なる。
現在は、短期売買ではなく、ビットコインの長期的な成長に期待して積み立てる方法に落ち着いている。
もちろん、積立へ変えたから損失がなくなるわけではない。価格が下がれば保有資産の評価額は減るし、長く持っていても利益が出る保証はない。
そのため、私の今の投資方針を説明するうえでは、「積立をしていること」と「保有割合を5%に抑えていること」をセットで考える必要がある。
それでもビットコインを保有する理由
短期トレードで損失を経験したことと、ビットコインの長期的な成長を期待することは、分けて考えている。
私が保有を続けている理由は、発行量が限られる仕組みと、投資対象として利用できる環境の広がりにある。
発行量が限られる仕組みに魅力を感じている
ビットコインの発行上限は2,100万BTCであり、新規発行のペースは半減期によって段階的に低下する設計になっている。
仕組みについては、Bitcoin.org「よくある質問」(日本語)で確認できる。
私は、この供給量が限られる性質に魅力を感じている。ただし、数が限られていても、買いたい人が減れば価格は下がる。希少性は、値上がりを保証するものではない。
「発行量が限られるから必ず上がる」と考えるのではなく、将来も需要が続く可能性に、資産の一部で投資しているという位置づけである。
従来の金融市場からも投資できるようになった
2024年1月には、米国で現物ビットコインETPの上場・取引が承認された。ビットコインを直接保有する方法に加え、証券市場を通じて価格に連動する商品へ投資できる環境が広がった。
参考:米国SEC「現物ビットコインETPの上場・取引に関する承認命令」(英語PDF)
こうした投資環境の広がりも、私が将来性を考えるうえで注目している点である。ただし、商品が承認されたことは、ビットコインの安全性や将来の収益が保証されたことを意味しない。
私がビットコインを資産の5%に抑える理由
成長を期待するなら、もっと多く持つという考え方もある。しかし、私はビットコインを5%、株式と債券を合わせて95%という基本配分にしている。
ビットコインが上昇すれば資産形成の助けになる一方、大きく下落する可能性もあるからだ。私の目的は、50歳前後に働き方を変え、その後も旅行などを楽しめる暮らしを作ることである。その計画を一つの資産の値動きに大きく左右される形にはしたくない。
5%の保有で半値になったら、資産全体はどうなる?
保有割合と下落の関係を、資産総額3,000万円の例で確認してみる。これは計算用のモデルであり、現在の私の資産額を示すものではない。
ビットコインを5%保有するなら、保有額は150万円となる。他の資産の価格が変わらない場合、下落の影響は次のようになる。
| ビットコインの下落率 | ビットコインの損失額 | 資産全体の下落率 | 下落後の資産総額 |
|---|---|---|---|
| 30%下落 | 45万円 | 1.5% | 2,955万円 |
| 50%下落 | 75万円 | 2.5% | 2,925万円 |
| 80%下落 | 120万円 | 4.0% | 2,880万円 |
| 価値がゼロになる | 150万円 | 5.0% | 2,850万円 |
計算は「保有割合5% × ビットコインの下落率」である。たとえば半値なら、5% × 50% = 資産全体の2.5%となる。
5%に抑えても、損失額が小さいとは限らない。3,000万円のモデルでは、半値になれば75万円の損失になる。
また、実際には株式や債券も同時に下落する可能性がある。資産全体の損失が最大5%で済むという意味ではない。 この表は、ビットコイン部分だけの影響を切り出した比較である。
5%は、価格が変わっても自動的に維持される数字ではない
私が示している5%は基本方針であり、日々の保有割合は値動きによって変化する。
たとえば3,000万円のうち150万円をビットコインで保有し、他の資産が変わらないままビットコインだけが2倍になれば、総資産は3,150万円、ビットコインは300万円になる。保有割合は約9.5%まで上昇する。
このように、購入時に5%でも、その後のリスクの大きさは変わる。積立を続ける場合も、購入額だけでなく、資産全体に占める割合を見る必要がある。
株式・債券を含めた私の配分は、私の資産運用ポートフォリオを公開|株式・債券・ビットコインの資産配分で紹介している。
積立をしても残る、3つの注意点
積立は、大幅下落を防いでくれる方法ではない
積立では購入する時期を分けられる。しかし、すでに保有しているビットコインの価格下落を防げるわけではない。
買い続けても価格が下がり続けることはあり得るし、必要な時期までに回復する保証もない。「積立だから安心」と考えて保有額を増やせば、下落時の損失も大きくなる。
私はビットコインの長期的な成長を期待しているが、将来の生活費をすべてそこから賄う前提にはしていない。株式・債券と組み合わせた資産の一部として保有している。
売却時には、税引後に残る金額を確認する
値上がりして評価額が増えても、その金額をそのまま生活費に使えるとは限らない。売却などによって利益が生じれば、税金を確認する必要がある。
国税庁の案内では、個人の暗号資産取引による利益は、事業所得等に該当する場合を除き、原則として雑所得として扱われる。適用される税制は、売却する年の制度を確認したい。
参考:国税庁「暗号資産を使用することにより利益が生じた場合の課税関係」
FIRE資金として考える場合にも、評価額だけでなく、税引後に使える金額を確認する必要がある。
価格以外に、保管や管理のリスクもある
ビットコインには、価格下落に加えて、取引所のトラブルや不正アクセスなどのリスクがある。自分で保管する場合にも、秘密鍵やリカバリーフレーズを失うリスクがある。
長期保有だからこそ、購入後の管理も必要になる。どこで買うかだけでなく、保管方法やアカウントの管理まで含めて考えたい。
私にとっては、FIRE資産の一部として続ける投資
1日で100万円以上の損失を出した経験がある。それでも私は、ビットコインの長期的な成長には期待している。
現在は短期トレードではなく積立を選び、保有割合は資産全体の5%を目安としている。成長への期待を持ちながらも、株式・債券を中心に資産形成を続けるための配分である。
FIRE後にしたいのは、旅先での時間や暮らしを楽しむことだ。ビットコインがどこまで上がるかだけでなく、大きく下がった場合にも、その暮らしの計画を維持できるかを考えていきたい。
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※本記事は私個人の投資経験と方針を紹介するものであり、特定の資産への投資を推奨するものではない。比較表は仮定に基づく計算例であり、将来の運用成果を示すものではない。


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