40代・資産3000万円からFIREできる?50歳までの資産推移をシミュレーション

FIRE

40代で資産3,000万円に到達すると、「このまま運用を続ければ、50歳でFIREできるのだろうか」と考えるかもしれない。

私自身、50歳前後のFIREを目指す会社員として、資産をいくらまで増やせば働き方を変えられるのか考えている。

資産3,000万円は大きな土台になる。一方、40歳から50歳まで10年間ある人と、45歳から5年間の人では運用期間が異なる。退職金、副収入、年金、退職直前の相場も判断に影響する。

この記事では、40歳・資産3,000万円を出発点に、50歳までの資産推移をシミュレーションする。積立額や退職直前の暴落も比較し、目標額に届かなかった場合の選択肢も考える。

【結論】資産3,000万円は50歳FIREを考える土台になる

40歳時点の資産3,000万円を運用し、毎年130万円を10年間追加投資した場合の結果は次の通りだ。

想定利回り50歳時点の資産追加投資を含む元本運用による増加分
年3%約5,522万円4,300万円約1,222万円
年5%約6,522万円4,300万円約2,222万円
年7%約7,698万円4,300万円約3,398万円

※毎年同じ利回りで運用し、各年末に130万円を追加投資する単純計算。税金・手数料・退職金は含めていない。

年5%のケースでは、50歳時点の資産は約6,522万円になる。ただしFIREできるかは生活費によって変わる。年間支出300万円なら初年度の取り崩し率は約4.6%。月5万円の手取り収入があれば約3.7%になる。

資産3,000万円は、50歳FIREを検討する出発点になる。ただし退職の判断には、50歳時点の金額とFIRE後の収支を一緒に確認する必要がある。

今回のシミュレーション条件

項目条件
開始年齢40歳
開始時の金融資産3,000万円
運用期間10年間
毎年の追加投資130万円(各年末)
想定利回り年3%・5%・7%
運用益再投資
退職金・税金・手数料含めない
物価上昇基本試算では考慮しない

計算は、前年末の資産に利回りを掛け、その後に130万円を追加する方法で行った。

翌年の資産 = その年の資産 ×(1+利回り)+ 年間追加投資額

追加投資を毎月行う場合や退職金を受け取る場合は結果が変わる。現実の運用では利回りは毎年変動するため、表のように順調に増えるわけではない。今回の金額は将来を保証するものではなく、条件ごとの違いを比較するための試算である。

【年齢別】40歳から50歳までの資産推移

年齢年3%年5%年7%
40歳3,000万円3,000万円3,000万円
41歳3,220万円3,280万円3,340万円
42歳3,447万円3,574万円3,704万円
43歳3,680万円3,883万円4,093万円
44歳3,920万円4,207万円4,510万円
45歳4,168万円4,547万円4,955万円
46歳4,423万円4,905万円5,432万円
47歳4,686万円5,280万円5,942万円
48歳4,956万円5,674万円6,488万円
49歳5,235万円6,087万円7,073万円
50歳5,522万円6,522万円7,698万円

※各年の金額は万円未満を四捨五入。計算は丸める前の金額で継続している。

年5%のケースでは、45歳で約4,547万円、50歳で約6,522万円となる。40歳から45歳までの増加額は約1,547万円、45歳から50歳までは約1,975万円だ。後半は運用する資産が大きいため、増加額も大きくなる。

一方、年3%と年7%では50歳時点で約2,176万円の差が出る。年7%は高めの仮定であり、期待するだけで達成できる数字ではない。自分の資産配分と、途中の下落に耐えられるかを含めて考えたい。

資産3,000万円からは、運用の影響が大きくなる

資産3,000万円を年5%で運用できた場合、最初の1年間の運用による増加額は単純計算で150万円になる。年間130万円の追加投資と比べても大きい。

内訳金額
40歳時点の資産3,000万円
10年間の追加投資1,300万円
運用による増加分約2,222万円
50歳時点の資産約6,522万円

ただし、運用の影響が大きいということは、下落したときの影響も大きい。仮に資産全体が20%下落すれば、3,000万円は2,400万円になる。期待する利回りだけを追いかけるのではなく、下落したときにも保有を続けられる配分を考えたい。

→ 私の資産運用ポートフォリオを公開|株式・債券・ビットコインの資産配分

積立額を変えると50歳時点の資産はどう変わる?

運用利回りを年5%に固定し、年間の追加投資額を変えて比較する。

年間追加投資額月額の目安10年間の追加投資50歳時点の資産
0万円0万円0万円約4,887万円
60万円5万円600万円約5,641万円
130万円約10.8万円1,300万円約6,522万円
180万円15万円1,800万円約7,151万円

※計算上は月々ではなく、年間額を各年末に一括投資。月額は年間額を12で割った目安。

年間130万円から180万円へ増やすと、10年間の追加投資は500万円増える。年5%の仮定では50歳時点の資産は約629万円増える。FIREまでの10年間も人生の一部だ。旅行や趣味など、大切にしたい支出を残したうえで、続けられる積立額を決めたい。

退職金があれば8,000万円に近づく?

今回の基本試算には退職金を含めていない。一方、私の50歳FIREロードマップでは、退職金も目標資産を考える材料にしている。

仮に、年5%・年間130万円のケースで、50歳時点に手取りの退職金1,100万円を受け取れるとすると、運用資産約6,522万円と合わせて約7,622万円となる。

退職金の有無や金額は勤務先の制度、勤続年数、退職理由によって大きく異なる。額面と実際の手取りは同じとは限らない。自己都合で退職する場合の見込額を確認し、不確かな場合は含めないケースも併せて計算したい。

別記事の約8,000万円モデルは、年間136万円の追加投資、年5.5%、退職金約1,100万円を置いた試算である。この記事の基本ケースとは積立額と利回りが異なる。

→ 50歳でFIREするために40代でやるべきこと|10年前からの準備ロードマップ

50歳で約6,500万円あればFIREできる?

FIRE後の年間支出を資産額で割り、初年度に何%を取り崩す必要があるかを確認する。ここでは資産を6,500万円として計算する。

月の総支出年間総支出初年度の取り崩し率
20万円240万円約3.7%
25万円300万円約4.6%
30万円360万円約5.5%
35万円420万円約6.5%

※総支出には税金・社会保険料や不定期の支出も含める。副収入と年金は考慮していない。

月25万円の総支出なら、300万円 ÷ 6,500万円 = 約4.6%となる。年間支出の25倍を必要資産の目安とする「4%ルール」は、長い退職生活の安全を保証する基準ではない。50歳からのFIREでは、40年以上の生活や物価上昇、運用の変動も考える必要がある。

月25万円が食費や家賃などの日常生活費だけなら、税金・健康保険・国民年金保険料などを別に加えなければならない。

→ 40代でFIREするにはいくら必要?生活費20万・25万・30万・35万円でシミュレーション

月5万円の副収入があると、取り崩しはどう変わる?

資産6,500万円、年間総支出300万円の場合に、月5万円の手取り収入があれば年間60万円となり、資産からの取り崩しは年間240万円に減る。

ケース年間総支出手取り収入年間取り崩し初年度の取り崩し率
収入なし300万円0万円300万円約4.6%
月5万円の手取り収入あり300万円60万円240万円約3.7%

私も、完全に働かないことだけを目標にするのではなく、文章を書くことやブログ運営など、自分が続けやすい形で収入を得る選択肢を考えている。

ただし、副収入は毎月一定とは限らない。収入が途切れる場合や、所得によって税金・社会保険料が増える場合も考え、額面ではなく手取りで計画したい。続ける期間によっても効果は変わる。

→ FIRE後の収入源はどうする?月5万円の副収入で必要資産はどれだけ減る?

退職直前に暴落したら資産はどうなる?

基本ケースと、最初の9年間は同じ条件で運用し、最後の1年間だけ資産全体が20%下落、その年末に130万円を追加投資するケースを比較する。

ケース49歳時点最後の1年間50歳時点
基本ケース約6,087万円年5%上昇後、130万円追加約6,522万円
直前暴落ケース約6,087万円資産全体が20%下落後、130万円追加約5,000万円

50歳時点の差は約1,522万円となる。20%下落は株式だけではなく資産全体が下落する仮定で、損失の大きさを確かめるための例だ。実際の下落幅は資産配分によって変わる。

「50歳になったら必ず退職する」と決めるよりも、退職時に資産がいくらならどの働き方を選ぶか、事前に複数の選択肢を用意したい。目標額に届けば収支と現金を確認し、少し届かない場合はサイドFIREを検討する。大きな下落時には退職を延ばす、または働く日数を減らす方法もある。

→ FIRE直後に暴落したらどうなる?50歳FIREをシミュレーション

物価が上がると、50歳時点の資産の価値はどう変わる?

ここまでの資産額は将来の円の金額をそのまま示した「名目」の数字である。仮に物価が毎年2%上昇すると、現在の年間支出300万円と同じ生活をするための費用は、10年後には約366万円となる。

300万円 × 1.02の10乗 = 約366万円

同じ前提で、50歳時点の資産約6,522万円を40歳時点の物価で見直すと約5,350万円に相当する。口座上の金額が増えていても、生活費も上昇する可能性がある。2%は比較のための仮定であり、将来の物価上昇率を予測したものではない。

50歳から65歳までの生活費と年金を確認する

50歳で会社員を辞め、公的年金を原則65歳から受け取るとすれば、その間の15年間は資産や仕事の収入などで生活する必要がある。年間総支出300万円で運用益も副収入もないと仮定すると、15年間の支出は単純計算で4,500万円になる。

実際には運用の損益、物価上昇、副収入、税金や社会保険料の変化によって結果が変わる。65歳以降も年金だけで支出を賄えるとは限らない。年金見込額は加入歴などによって異なるため、自分の見込額を確認したい。

→ 50歳でFIREするにはいくら必要?必要資産と65歳の年金受給までをシミュレーション

40歳ではなく、45歳で資産3,000万円の場合は?

この記事の基本試算は40歳から50歳まで10年間の運用だ。同じ「40代・資産3,000万円」でも45歳から50歳までは5年間しかない。年5%で運用し、毎年130万円を年末に追加投資する場合を比較する。

開始年齢50歳までの期間追加投資の合計50歳時点の資産
40歳10年1,300万円約6,522万円
45歳5年650万円約4,547万円

同じ開始資産・同じ積立額でも約1,975万円の差が生じる。45歳からの場合は、退職時期を延ばす、生活費を見直す、働きながら取り崩すといった選択肢も含めて考えたい。

50歳で目標額に届かなかったときの選択肢

運用成績や仕事の状況によって目標に届かないこともある。そのときに「FIREは失敗だった」と考える必要はない。資産が積み上がっていれば、働き方を変えるための選択肢は増えている。

① 退職を数年延ばす。積立期間が延びるとともに、資産の取り崩し開始も遅らせられる。自由に使える時間が後ろにずれる面もあり、仕事の負担や健康も含めて判断したい。

② サイドFIREを選ぶ。勤務日数を減らしたり、自分に合った仕事を続けたりすれば、取り崩しを抑えられる。

③ 支出を見直す。支出を抑えられれば取り崩し率は下がる。私は将来の海外滞在や旅行も楽しみたいと考えているため、削る費用と残したい費用を分けて考えたい。

④ 相場の回復を待つ間の収入を確保する。一時的に働き続けて取り崩しを遅らせる方法もある。ただし相場がいつ回復するかは分からず、希望通りの仕事が見つかるとも限らない。現金の確保や支出の調整とあわせて考えておきたい。

→ FIRE前に現金はいくら必要?生活防衛資金と暴落対策を考える

40代のうちに確認したいこと

現在の金融資産、無理なく続けられる年間追加投資額、自己都合退職時の退職金、FIRE後の年間総支出、手取り副収入、年金見込額、暴落時の行動を書き出してみよう。年間総支出には税金・社会保険料・旅行費・臨時支出も含めたい。

また、NISAは運用益が非課税になる制度だが、投資商品の値下がりを防ぐものではない。使える枠や商品の条件を確認したうえで活用したい。制度の詳細は金融庁のNISA特設ウェブサイトで確認できる。

まとめ|資産3,000万円から「辞められる条件」を考える

40歳で資産3,000万円を保有し、毎年130万円を追加投資した場合、今回の単純試算では50歳時点の資産は次のようになった。

想定利回り50歳時点の資産
年3%約5,522万円
年5%約6,522万円
年7%約7,698万円

これは毎年一定の利回りで運用できた場合の数字であり、退職金・税金・手数料は含んでいない。年5%のケースで約6,500万円になっても、FIREできるかは年間支出や副収入によって変わる。物価上昇や退職直前の暴落によって、計画を見直す必要もある。

私が大切にしたいのは、「50歳で必ず会社を辞める」と決めることよりも、50歳前後に自分で働き方を選べる状態をつくることだ。そのために引き続き積立投資を続け、並行してサイドFIRE等の可能性も考えながら行動している。

まずは現在の年間支出と追加投資額を書き出し、この記事の近い条件と比べてみよう。資産を増やしながら、退職後の支出、収入、年金、暴落時の行動も少しずつ整理したい。

→ 40代から始めるFIRE入門ガイド|必要資産・種類・資産形成・FIRE後まで解説

コメント

タイトルとURLをコピーしました